米俳優レオナルド・ディカプリオ(42)が7日、ドナルド・トランプ次期米大統領(70)と環境問題について会談したことが明らかになった。

 1998年に環境や動物保護を目的とするレオナルド・ディカプリオ財団を設立し、国連平和大使にも任命されて国連気候変動サミットで演説をするなど国際的に高い評価を受けている環境保護家のディカプリオは、米ニューヨークのトランプ・タワーでトランプ氏と娘のイヴァンカさんとおよそ90分にわたって面談。米国内の経済を潤滑にするため環境事業による雇用を創出すべきだと提案したという。太陽光発電などの再生可能エネルギーやクリーンエネルギーを用いた住宅や商業施設の建設案を軸に環境問題に取り組むことをプレゼンしたディカプリオは、手土産として自らが世界各地を巡って気候変動や地球温暖化に直面する現場を取材したドキュメンタリー映画「地球が壊れる前に」のDVDを持参。地球が直面する危機的状況を再認識してもらうため、トランプ氏とイヴァンカさんに直接手渡し、トランプ氏は「必ず観る」と約束したという。

 選挙戦中に「地球温暖化は米国の競争力を削ぐために中国がでっち上げたものだ」と発言し、地球温暖化対策の国際的な新枠組である「パリ協定」からの離脱を表明するなど、トランプ氏の環境保全及び地球温暖化対策に対する姿勢を危惧する専門家も多い。環境問題に熱心だったアル・ゴア元副大統領と会談したことをきっかけに同問題への関心が強くなったと言うディカプリオも、トランプ氏が大統領戦に勝利したことで温暖化対策が後退することを懸念する一人と言われている。トランプ氏陣営は会談内容について正式なコメントはしていないが、来年1月にもディカプリオと環境問題に関して2度目の会談を持つことで調整を行っていると米メディアは伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)