13年12月に音楽活動の休止を発表後、活動を休止していた、歌手で声優の中島愛が11日、東京・お台場・ヴィーナスフォートで復帰フリーライブ「ただいま。」を開催した。中島は「ありがとう。ただいま、帰ってきました。中島愛です」とあいさつ。1曲目は、感謝の思いを込め、活動休止前の最後の楽曲となった13年「ありがとう」を歌った。

 単独でのライブは、14年3月20日に日本青年館で行ったファイナルライブ以来。しかも会場のお台場・ヴィーナスフォートは、2008年にランカ・リー=中島愛名義で初ライブを行った原点の地だった。中島は「ここは私にとって、すごく思い出深い場所。デビューライブの時は出て来る瞬間に泣いてしまい…もう、本当にグズグズとしてしまったんですけど、8年たちまして、こんな感じで歌わせていただいて、戻って来られて本当にうれしく思っています」と感慨深げに語った。そして08年のデビュー曲「星間飛行」と12年「TRY UNITE ! 」を連続で歌った。

 中島は、活動休止に至った経緯についても、赤裸々に語った。

 「ずっとデビューから駆け抜けてきて、すごく充実した楽しい楽しい時間でした。けれども、自分の中で気持ちだったり、体のキャパシティーを超えてしまったなという部分もあって…活動しながら克服して前に進むべきところだったんですけど、私のわがままで活動を休止したいということを決めました。すごく一生懸命活動している時に、そういったことになったので、ステージに戻ってきたいと思いつつ、そんな甘い話はないんじゃないかと自分の中でも思っていたんですけど、たくさんの方の支えがあって、こうしてステージに戻って来られました」

 そして、中島愛のソロ名義でのデビュー曲「天使になりたい」(09年)を歌った。

 そしてラスト5曲目に、復帰第1弾シングル「ワタシノセカイ」を初めて生披露した。来年1月からWOWOW、BS11などで放送開始予定のアニメ「風夏」(WOWOWで1月6日から、TOKYO MX、MBSでは同7日から、BS11では同8日から)のエンディングテーマで、来年2月15日に発売される。中島は「復帰して、すぐに新しい曲を皆さんに聴いていただけるというのは、本当にうれしい。私としても、新しいスタート、チャレンジになりそうな曲に仕上がりました」と思いを語った。

 中島は最後に「本日は本当にありがとうございました。今日、見たこの景色…一生忘れません。本当にすてきな時間を皆さんが作ってくれました。本当に感謝しています」と、集まった約1000人のファンに感謝した。目にためていた涙は最後まで流さず、笑顔でステージを降りた。【村上幸将】