今年でデビュー45周年を迎え、最新シングル「恋しゅうて」(発売・テイチクエンタテインメント)がロングセラー中の演歌歌手石川さゆり(59)が11日、熊本・水俣市の水俣市文化会館でコンサートを開いた。

 水俣でのコンサートは、39年ぶり。1978年、20代になったばかりの胎児性水俣病患者の人たちが「若い患者の会」という団体を作り、『成人の証』として「大人として人に認められることを成し遂げたい」と「石川さゆりコンサート」を自ら企画・運営。そして今回、還暦前後になった患者の人たちから「もう1度、石川さゆりさんのコンサートを開催して、あのころの元気を取り戻したい」という声が上がり、「若かった患者の会」を発足。その趣旨とメンバーたちの熱意に感銘を受けた石川が快諾して実現することになったもの。

 約1000席の会場は昼夜ともに満席。「転がる石」をはじめ、「ウイスキーが、お好きでしょ」「滝の白糸」「だいこんの花」「恋しゅうて」「津軽海峡・冬景色」「波止場しぐれ」「能登半島」「天城越え」など全19曲を熱唱した。