「ツィゴイネルワイゼン」「東京流れ者」など独特の色彩感覚と様式美あふれる作品で知られた映画監督の鈴木清順さんが13日、死去した。93歳。東京都出身。日活のホームページで22日、発表した。慢性閉塞性肺疾患のため。主な略歴は以下の通り。

 ◆鈴木清順(すずき・せいじゅん)。本名清太郎。1923年(大12)5月24日、東京市生まれ。48年、鎌倉アカデミア映画科から、松竹大船撮影所に助監督として入社した。54年に日活に移籍し、56年「港の乾杯・勝利をわが手に」で映画デビューした。代表作には「関東無宿」「肉体の門」「ツィゴイネルワイゼン」「けんかえれじい」など。

 67年公開の宍戸錠主演「殺しの烙印」を巡り、翌年に当時の日活社長から「分からん映画ばかり作られては困る」と解雇通告。これが「鈴木清順解雇事件」として裁判に発展した。71年に和解合意したが、77年まで10年間鈴木監督の作品は製作されなかった。77年のTBS「ムー一族」で俳優業にも挑戦。元NHKのアナウンサー鈴木健二氏は実弟。

 遺作は2005年公開「オペレッタ狸御殿」。