第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、都内で行われ「64-ロクヨン-」(瀬々敬久監督)の佐藤浩市(56)が、「忠臣蔵外伝/四谷怪談」以来22年ぶり2度目となる最優秀主演男優賞を獲得した。「久しぶりに大きいほうのヤツ(ブロンズ)を頂いたけどこんなに重かったかな。50を過ぎて筋力が衰えたからなのか、別の感慨で重さを感じているのか」とユーモアをまじえ喜びを語った。

 最優秀助演男優賞も2回獲得するなど、35年にわたり日本アカデミー賞の歴史を見守ってきた佐藤は「年々アカデミーの形が成熟してきた。映画の賞として頂にあるのかな」と感慨に浸った。

 一部で報じられた息子寛一郎の俳優デビューについて聞かれると「僕が現場で教わったことが、そのまま彼らに生きる世界でもない。(助言は)あんまり言わないですよ」と笑顔。報道陣から、息子が新人俳優賞を取ったらプレゼンターをするのはどうか、との提案もあったが「そんな恥ずかしい展開は…。(父の)三国(連太郎さん)と俺との間でやっちゃってるんで」と謙遜した。

 最優秀主演女優賞は「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえ(43)が受賞。主演舞台の夜公演があり、レッドカーペットのみの参加となったが「役を演じるというより、役が自分の体を通過して爪痕をつけていくという感じ。(演じた)双葉という役も、大きな爪痕を残していきました」とコメントを寄せた。