人気ロックバンド「サカナクション」のファンサイトに登録して転売目的でコンサートの電子チケットをだまし取ったとして、兵庫県警サイバー犯罪対策課は7日までに、詐欺の疑いで和歌山市、無職小西正敏容疑者(43)を逮捕した。

 同課によると、小西容疑者は詐取した電子チケットをインターネットサイトに出品。落札者とコンサート当日に待ち合わせ、チケットのデータ入りのスマホを貸与していた。こうした手口を繰り返し、2014年以降、約6000万円の売り上げがあった。

 同課は、チケット販売の手続きをする販売会社の社員がだまされた対象だと捉え、詐欺容疑で逮捕。電子チケットの高額転売を巡り同容疑の適用は全国初だとしている。

 逮捕容疑はサカナクションのファンサイトに有料会員登録をした上で、昨年9月、転売目的でチケット2枚(計約1万4000円)の会員先行抽選販売を申し込み、今年2月、東京都内のチケット販売会社から電子アプリ上で受け取った疑い。

 販売会社が出品を不審に思い、男性社員が電子チケットを落札。今年3月、県警に情報提供した。

 サカナクションのメンバー山口一郎さんは、ネットを利用したチケットの高額転売の是正を訴え、会合に出席するなどしている。