8月の舞台公演中にセリから転落して大けがを負った歌舞伎俳優市川染五郎(39)が17日、都内のホテルで事故後初めて会見した。

 一問一答は次の通り。

 染五郎

 私の基本的なミスにより、多くの方にご迷惑をかけ、深く深くおわび申し上げます。

 -事故当時を振り返って

 染五郎

 意識はあるんですけど、正直、記憶が定かでない。舞台は中止になり、以降の公演も出ることができなかった。どうあがいてもできなくなってしまうことってあるんだなと、今更ながら気付いた。

 -舞台に立てなくなるという不安は

 染五郎

 不安はありました。再び舞台に立つということを目標に生きていこうと、新たな気持ち。幸い後遺症はなく、骨折が治るまで安静にしています。右腕は折れた部分にプレートをはめ込んでいる状態です(手首の固定ベルトを見せる)。

 -ミスの原因は

 染五郎

 正直分かりません。一番気を付けなければいけないことを忘れていた。すべて積み重なって起きてしまった。情けないことをした。

 -舞台は、お子さんの初舞台でもありましたが。

 染五郎

 申し訳ない経験をさせてしまったという気持ちでいっぱい。復活できることが自分自身の子供に対しての表現の仕方だと思っています。

 -家族の支えについて

 ご迷惑かけて申し訳ない。体を治して元気に働くことがご恩返しだと思う。

 -入院中、最もつらかったことは

 染五郎

 寝返りをうったり、くしゃみをするだけで痛みが響く。何もできないことがどれだけつらいか実感できた。

 -スピード回復は、奇跡が起きたと思いますか

 染五郎

 奇跡かどうかは、これから舞台に立って出した結果次第だと思います。

 -再びあの演目をやることは

 染五郎

 あの演目を上演する気持ちはありません。あの作品に関しては、あれがすべてだと思います。

 -セリへの恐怖はありますか

 染五郎

 恐怖感はまったくない。セリに対して申し訳ないんで(笑い)。