フジテレビ亀山千広新社長(57)が5日、東京・台場の同局で初の定例会見を行った。先月27日の株主総会をもって正式に社長に就任。「視聴率の早期回復が命題」と語った。

 兆しは徐々に出てきた。6月の平均視聴率はゴールデン、プライムタイムで、ともに5月の3位から2位に浮上。「サッカーW杯じゃないが2位にならないと決勝には行けない。1位を目指すスタートラインに立てた。1カ月でも2位になったことで、自信につながる」と納得の表情だった。要因は4月クールのドラマ。「ガリレオ」「ラストハートシンデレラ」「家族ゲーム」が好調で「地力がついた。そのバトンを7月クールにもつなげていきたい」。

 ドラマ復活でフジテレビらしさが戻ってきたことで「当たったドラマの流れは次も、くむのか」との質問が飛んだ。「視聴習慣は大事。かつて『月9』はそうだった。2本続けてうまくいったら、その色で行けばいい。1本は良くて、その次がダメだったら、その次は考えた方がいい」と亀山新社長。かつて「月9」で「ロングバケーション」「ビーチボーイズ」をヒットさせたことを振り返り、「僕は『月9』のようなラブコメは得意じゃなかった。たまたま(『東京ラブストーリー』などをヒットさせた)大多くん(大多亮常務)が忙しい時にやったら偶然当たっただけ」と謙遜。もちろん演者の努力もある。しかし、不得意でもヒットした背景に、「月9」ということで視聴者が集まった「ブランド=視聴習慣」の重要性を訴えた形だ。

 また6月8日に生中継したAKB48選抜総選挙について聞かれ「僕は極めてくぎ付けになっていた。立候補制になって大変だと思った。自分の娘だったら『やめなさい』と言いそう。見ず知らずの人に審判をゆだねるというのは大変なこと」。1位が指原莉乃(20)になった瞬間は「思わず笑ってしまいました」と振り返った。