昭和を代表するスターで1987年に52歳で死去した俳優の石原裕次郎さんが生前、後に妻となるまき子さん(80)に送ったラブレターの数々が、27日発売の「文芸春秋スペシャル」秋号で初公開される。

 まき子さんが保管する膨大な数の手紙やメモの中から、思い入れの深いものを選んで紹介。若き日の裕次郎さんが「宇宙で一番好きな人」などと記した手紙もあり、まき子さんへの強い愛がうかがえる。

 2人がひそかに交際を始めたのは56年、共演した映画「狂った果実」の撮影途中だった。当時まき子さんは北原三枝の名で俳優として活躍していた。長距離電話がつながりにくかった時代で、次第に手紙のやりとりが増えていく。

 同年8月12日付で裕次郎さんが仕事先から速達で送った手紙は「僕のマコちゃん」という書き出しで、「大好きな人

 宇宙で一番好きな人」とつづっている。また、裕次郎さんが「どうして僕等は…暗い人影のない夜の道を歩く事だけを唯一の幸せと思わなければならないのか…?」「離れてゐても一緒」「マコの事だけで一杯で外の考えも浮ばないョ」などと気持ちを率直に伝えている。

 一方で、俳優業を続けるかどうかで意見が対立した裕次郎さんに対し、まき子さんが別れの覚悟をつづった手紙も掲載。まき子さんは、今回の手紙公開について「素顔の裕さんを読者にお伝えできたら」とコメントしている。