昨年、92歳で亡くなった俳優森光子さんの一周忌を迎えた10日、石川県加賀市山中温泉にある記念館「森光子一座」で献花式があり、親交が深かったプロデューサー石井ふく子さん(87)ら約300人が参列した。

 石井さんは遺影に向かって「もう1年たったなんて…」と声を詰まらせ、「いろいろなことを教えてもらった。ありがとう」と呼び掛けた。舞台「放浪記」で共演した斎藤晴彦(73)は「舞台の袖で森さんの演技を見ていると、相手役に合わせ毎回演技が違った。感性が鋭い人だった」と在りし日の森さんをしのんでいた。

 記念館によると、森さんはドラマの撮影で山中温泉を訪れたことがあった。約10年前にラジオで「(民謡では)山中温泉の山中節が日本一です」と話したことがきっかけで、山中温泉の関係者と交流するようになった。

 記念館は4月にオープンし、森さんが舞台で使った衣装や小道具が展示されている。