広島市出身で被爆2世の作曲家佐村河内守さん(50)の楽曲を桐朋学園大非常勤講師の新垣隆さん(43)が代作していた問題で、被爆者への思いを込めて作ったとされる「交響曲第1番

 HIROSHIMA」が、当初は別の作品名「交響曲第1番

 現代典礼」だったことが、7日までに分かった。

 新垣さんによると、「現代典礼」は佐村河内さんから「オーケストラの作品を1年間で作ってほしい」と依頼され、指示書をもとに作曲。指示書は手書きで、4つの主題「祈り」「啓示」「受難」「混沌(こんとん)」の時間配分や音楽の盛り上がり部分を示す図表のほか、「後世にのこる芸術的価値のみを追求!」などと細かく記されていた。

 新垣さんは6日の記者会見で「数年後にその作品が『HIROSHIMA』のタイトルで発表されると聞いて大変驚いた」と明かした。

 「HIROSHIMA」は2008年9月、広島市で開かれた主要8カ国(G8)下院議長会議(議長サミット)で初演。11年7月にCDが発売された。佐村河内さんは楽曲について「原爆投下後の20分間の広島を表現した」などと説明していた。