毎年末、東西の人気歌舞伎役者が集結する恒例の京都・南座公演「吉例顔見世興行」(11月30日~12月26日)が9日、大阪市内のホテルで発表された。

 一昨年の同興行中に亡くなった中村勘三郎さん(享年57)をしのび、昼の部で「仮名手本忠臣蔵

 七段目

 祇園一力茶屋の場」を上演。上方から片岡仁左衛門のほか、中村勘九郎(32)七之助(31)兄弟が出演する。

 兄弟は一昨年、同興行で襲名お披露目公演中に、父の勘三郎さんが亡くなっている。また、夜の部では、兄弟による約30分の舞踊劇「爪王」が決定。「爪王」は鷹匠(たかじょう)をモデルに鷹(たか)と狐(きつね)の闘いを描き、狐に勘九郎、鷹を七之助が演じる。

 公演を説明した松竹の安孫子正副社長によると、両演目はともに「生前に18代目(勘三郎さん)がやりたいとおっしゃっていたが、チャンスがなかった」演目だと話した。

 また、同劇場では11月に、91年の新装開場以来の改装を予定。3週間の工期で、舞台や花道の板を張り替え、今年の師走興行を迎えることも発表した。