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宮崎駿監督大いに語る「長編はしんどい」

ラジオで近況などを語った宮崎駿監督(写真は2013年9月6日)
ラジオで近況などを語った宮崎駿監督(写真は2013年9月6日)

 スタジオジブリの宮崎駿監督(74)が、16日放送のTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」(月~金曜午後3時半)内でインタビューに応じ、長編アニメーションから引退した真意をあらためて語ると同時に、近況などを語った。インタビューは同監督のアトリエ「二馬力」で収録されたという。

 宮崎監督は、インタビュアーのジャーナリスト青木理氏から「引退されて、アニメはもうやらんぞ、というご気分ですか」と聞かれて、綿々と語った。

 「短いものは、美術館の仕事がありますから、作る可能性はあると思います。ただ…まぁ、いいときに辞めると言った。フィルムがなくなった。アニメーションにコンピューターが入り込みすぎて、スタッフも脳みそがコンピューター化してる。そういう時に行き合わせて、もういいよ、という感じが僕の中にありますから。これで無理して手書きの現場を作る必要があるだろうか、というのと無理してCGでセル画風に画面を作るとかね、そういうことをやる意味があるか…と言ったら、ないですよね。もう隠居していい年だから、それはやらない。それは、それでいいと思います」

 また「アニメーションには、やりたくないことがいっぱいある。何だこりゃ、という画がある…ささいなことでも(気になる点が)あるんですよ。直さないといけない。映画の効果としては0.1ミリだけど、映画の仕上がりで1ミリ違ってくる。長編はしんどい」と、妥協のない製作スタイルを、長編で貫くのはきつくなってきたと吐露した。

 近況については「週休2日になってます。ここに来て働いてるのかと言われると、働こうと努力するけど、薪を割ったり、隣の保育園をのぞきに行って邪魔したり」と冗談めかして話した。その後、今、主に携わっている三鷹の森ジブリ美術館について語り出した。

 「美術館の仕事が難題でして。企画展示というコーナーがあり、何で埋めるか、思いついてしまうもので提案すると、思い通りにならなくなって。今、やっているのは江戸川乱歩の小説『幽霊島』を、美術館の中に建てちゃおうというばかげた話で。僕は大好きで、子どもの頃に貸本屋で借りたんですけど。「ルパン三世 カリオストロの城」を、ずいぶん前に作ったんですけど源流は『幽霊島』です」

 また、イスラム国の問題など、昨今の世界情勢についても持論を展開した。

 「大量消費という文明そのものに問題があるんですよ(中略)金があれば何でも買えるんだ、安いものが正しいんだ…それが最低なんですよ。政治思想も何も、その元になっている生活そのものが、本当に最低になっていると思う。こんな民族に、ろくな判断がつくわけがない。大量消費文明が息詰まりつつあるから、あちこちで騒ぎが起きているんだと思う。(中略)今のイスラム国の問題も、日本のやたらに札束を吸っているような経済の運営の仕方も、末期的症状の前駆的症状だと思う」

 「世界的な無秩序は、これからさらに起こってくるだろうと思う。そういう時に(首相の)安倍さんの言うことはシンプルすぎる、という懸念は僕は持っている。もう少し腹に複雑なものを抱えてやらないと。そういう時、平和憲法って役に立つんですよ。憲法を守らなきゃいけないんでね、ちょっとそっちに行きたいけど、行けないんですって」

「前と同じ論法で、平和憲法を守っていれば平和になるんだ…というような考え方でやれるほど、世の中は甘くなくなってきているのは確かだと思う。いろいろな要員が増えて、膨らんでうごめいている時期に来た。どう渡っていったらいいか…ということだと思う。僕は簡単に言うと、日本が世界の真ん中においた地図を作らないで、隅っこに置いた地図を作る。基本的に、今、ゴチャゴチャになっている中近東、中欧の折り重なった歴史に比べれば(日本の歴史は)単純だと思います。何が一番問題化といったら、帝国主義の時代、日本も自分たちが支配されないように努力した結果、自分たちも帝国主義のマネをした。結果的に300万人の死者を出す戦争をして、原爆を2発落ちる目にあった。隣の国の恨みは消えてない。法的に解決しても、くすぶっている。それも何とかしなければいけないことなんですが、世界全体の歴史から見ると、ずいぶん分かりやすい歴史なんですよ。それが、僕らが地政学上、一番端っこにいる良さだと思う。(中略)知恵で何とかやっていける場所にいると思いますよ、日本は。民族と宗教が入り乱れてグシャグシャになって、しかも自然破壊とどうしていいか分からない人口を抱えて、やってる国に比べたら、日本は何とかなると思います」。

 [2015年2月16日18時43分]

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