俳優村上虹郎(17)が31日、東京・テアトル新宿で映画デビュー作「2つ目の窓」(河瀬直美監督)公開と映画デビューを記念したイベント「ニジトーク」を開催し、共演の父淳(41)と約30分対談した。

 淳が、居酒屋で父と息子が語り合う場面で、自身が語った別れた夫婦の過去の話が、虹郎の母で元妻UA(42)と20年前に出会った話だったと明かした。

 虹郎は、その場面を演じる直前に、河瀬監督から「何で(母親と)別れたのか聞け」とメモを渡されたと振り返った。

 すると淳が「東京で語り合うシーンは、台本になかった。僕が(虹郎が演じた)界人に話したのは、UAさんと僕との出会いの日。20年前。よくインタビューで当時、話していました」と答えた。

 虹郎は「僕自身(離婚の話を)母親にも父親にも聞かない。タイミングかな、聞きたい時に聞こうか、という感じ。(演技の中で)河瀬さんに強制的に聞かされて…でも、嫌じゃなかった。悪く言えば残酷だけど、良く言えばきっかけはくれた」と笑みを浮かべた。

 淳は「ニジトーク」の最後、客席に向かって映画への熱い思いを訴えた。

 「僕は、若松孝二監督がご存命の頃から、このテアトル新宿に通っていました。俳優を21年やってますが、インディーズのスピリットを持った人の流れを止めたくないから、パンフレットでも何でもいい。サイン会をしたい。ここではヤン・ヨンヒ監督の『かぞくのくに』もかけてもらって、安藤サクラさんとサイン会をしました。皆さん、参加してくれてグルーブになるのがいい。映画(の楽しみ)は参加型だから。サイン会は、そこでやってます」

 その言葉通り、村上父子は「ニジトーク」終了後、約30分間、劇場ロビーでサインを続け、ファンと気さくに語り合っていた。