詩人で書家の相田みつを(享年67)の詩が初めて歌になることが6日、分かった。歌手島谷ひとみ(27)の新曲「雨の日には

 雨の中を

 風の日には

 風の中を」(25日発売)で、相田の書がCDジャケットになるのも初めて。死去から17年。数々の朱儒の言葉を残し、多くのファンがいる相田ワールドがメロディーに乗って初めて世に出る。

 今から2年前。相田の長男で、相田みつを美術館の一人(かずひと)館長(52)が、作曲を手掛けた音楽プロデューサーのAKIHITO(35)と詩の初音源化で意気投合。歌唱者として白羽の矢を立てたのが島谷だった。もともと相田作品の大ファンだった島谷は即快諾。あらためてすべての書に目を通したという。

 「雨の日には―」の詩は生前の相田が最も愛した言葉だった。「雨や風の自然を全面的に受け入れて、ともに生きる。常に前向きで、積極的に生きる」という意味だと生前、相田は語っていた。

 「雨が降ったら傘をさせばいい、雨が降って植物も育つよ、風が吹いたら新しい種を運んできてくれるよ、って…」。そう解釈する島谷は、詩に込められたメッセージを膨らませ、精いっぱいの心を込めて歌うと誓った。

 相田みつを美術館が詩を監修、自然との共生という世界観をしっかりとイメージすることで詞が完成した。「島谷さんの澄み切った歌声に乗って、父の思いが多くの人の胸に届くことを願っています」。一人館長は、相田の人生そのもののような言葉だという「雨の日…」と島谷のコラボレーションに最大限のエールを送った。