歌手で俳優の押尾学容疑者(31)が合成麻薬MDMAを使用したとして、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された事件で4日、警視庁麻布署は、関係する数カ所の家宅捜索を行った。

 都内有数のランドマーク、六本木ヒルズのマンション内の2部屋が捜査の対象となった。警視庁麻布署は4日午前、飲食店勤務の30代女性が死亡したマンション室内を現場検証した。女性が死亡した2日夜、押尾容疑者もこの室内に一緒にいたことが確認されている。麻布署は女性が死亡した経緯や、薬物使用との関連がないかを捜査した。

 午後にはマンション内の別の部屋を家宅捜索した。押尾容疑者が「出入りしていた」と供述したため、捜査の対象になったが、押収物はなかった。同部屋の使用目的などは捜査中だが、使用した合成麻薬以外に薬物がないかを調べるとともに、入手経路の特定を急いでいる。半年前から矢田と別居していたという押尾容疑者が自宅代わりに使用していた可能性もある。

 麻布署によると、押尾容疑者は尿検査でMDMAの陽性反応が出たが、所持品から薬物は見つからなかった。麻布署は供述や尿検査の結果などから、押尾容疑者が数日以内に合成麻薬を使ったとみている。また、この日までに押尾容疑者のマネジャーらを聴取した。

 押尾容疑者はこの日午前4時すぎ、留置施設の都合で、麻布署から三田署に身柄を移した。取り調べに対しては淡々と答えているが、合成麻薬の使用については「知人からもらった固形物を飲んだ。違法なものとは思わなかった」と容疑を否認している。違法性の認識についてなど引き続き事情を聴くとともに、押尾容疑者の周辺にいる人物が薬物を使用していないかについても調べている。

 [2009年8月5日8時47分

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