タッキー&翼の今井翼(28)が親友でサッカーW杯南アフリカ大会に出場中の日本代表MF松井大輔(29)に対し、1次リーグ突破に向けてエールを送った。今井は、松井が活躍するフランスにも足を運び、異国で1人奮闘する姿を見守ってきた。引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まる24日(日本時間25日)のデンマーク戦。今井は「フランスでの経験や鋭い感覚を持って、勝つ気持ちで戦ってほしい」と親友の活躍を期待した。

 今井は7月開幕の主演舞台「ROAD

 TO

 PLAYZONE」のけいこに励む毎日を送っている。19日の対オランダ戦は、ダンスレッスンを行う都内のスタジオでテレビ観戦した。結果は惜敗。「悔しい結果だけど、鋭い動きでボールに達する積極性はさすがだね」。すぐ松井に健闘をねぎらうメールを送った。

 6年前に松井と知り合った。松井がフランスに渡る直前だった。「初対面でも仕事に対する気持ちなど通じるものがありました」。松井は前回の06年W杯ドイツ大会で日本代表入りを有力視されながらも落選した。メンバー発表の翌日、2人で飲んだ。「いつも通りでした。ただ、『切り替えないと。また頑張ればいい』と。本当に悔しくて一番しんどかったと思いますが、弱い姿は見せない。心の強さを感じました」と今井は振り返る。

 松井に関心を持ち、フランスに何度か足を運んだ。地元に愛される松井の姿に驚かされた。「地元のレストランやバーに行くと、『タダで飲めよ』って。フランス語をマスターし、その国に対して真摯(しんし)な松井君の姿勢を尊敬しました」。一方で所属クラブで監督の戦術に合わず、ベンチ入りできない姿も見た。「心を折らず、黙々と1人練習する。心の強さは今も進化しているはずです。いい意味で苦労したことが、今のいい動きやあきらめない姿勢につながっているのでは」。苦しむ様子も見てきたからこそ、W杯での活躍が人一倍うれしい。

 5月に発売した初のフォトエッセー「僕の楽園」では、松井を「生涯の友」として紹介している。「素顔は関西人らしくひょうきんです」。今井の自宅で松井が「(タキツバの代表曲)『Venus』をやろうよ」と言い出し、2人で踊ったことも。「『Venus』と『SAMURAI』を気に入って、移動中も聴いてくれているみたいで。もっとも、DFの中沢さんに『それは古くて、もっと新しい曲があるよ』と言われたらしいです」。それでも、松井はこの2曲を大切に聴き続けている。

 今井は、松井からプレゼントされたユニホーム4着を自宅に飾っている。だが「着るのはもったいない」と、デンマーク戦は自前で用意した応援Tシャツを着てテレビに向かうつもりだ。「これまでの思いを持って水を得た魚のようにプレーしている気がします。攻める姿勢で戦ってほしいです」。今井の熱いエールが、松井の背に翼をはやす。【近藤由美子】

 [2010年6月21日8時27分

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