日本で大ヒットした韓国ドラマ「冬のソナタ」でブレークした韓流スター、パク・ヨンハさん(32)が6月30日午前5時30分ころ、ソウル市江南区内の自宅で、死亡しているのが見つかった。ビデオカメラの充電用コードで首をくくった状態で、ヨンハさんの母親が発見し、警察に届け出た。遺書は見つかっていない。韓国警察当局は30日午後、父の病気や事業、芸能活動など複合的なストレスから飲酒し、衝動的に自殺を図ったと断定した。

 ヨンハさんの遺体はソウル市内の病院に安置され、親友ソ・ジソプ(32)ら友人たちが次々と弔問に訪れた。夜にはヨンハさんが主題歌を歌ったドラマ「オールイン」に主演したイ・ビョンホン(39)らも硬い表情で姿を見せた。タレントの自殺が相次ぐ韓国芸能界は、またしても将来有望な若手俳優を失い、大きな衝撃を受けた。

 聯合ニュースなどによると、ヨンハさんは最近よく眠れず、睡眠薬を服用していた。著名フォーク歌手のマネジャー兼プロデューサーだった父親(62)が末期の胃がんと診断され、自宅で看病していた。30日未明には父親の足などをもみながら「父さんの痛みを自分が肩代わりしなければいけないのに申し訳ない」と涙声で話していたという。

 自ら設立した個人事務所の経営問題にも悩んでいた。日本人観光客を相手にしたブランド製品事業や外食事業をソウルで手がける計画が進んでいたが、今年初めには社内の金銭トラブルで経営難に陥っていた。これがきっかけで長年信頼していたマネジャーとも別れ、傷ついていたという。自殺する2、3日前には周囲に「仕事も生活も非常に苦しい。考えを整理したい」などとこぼしていた。

 ヨンハさんは、04年にNHKで放送されたドラマ「冬のソナタ」で、ペ・ヨンジュン(37)演じる主人公の恋敵役を好演。日本の韓流ブームの火付け役の1人となった。韓国では低迷期も続いたが、日本で韓流スターとして高く評価されたことを受けて、改めて母国でも再認識された。08年に約5年ぶりに出演した主演ドラマ「オンエアー」は最高視聴率25・8%を記録、その後ドラマや映画などに出演してその活動が見直されてきた直後の自殺だった。

 韓国で8月から放送される新ドラマ「ラブソング」への出演も決まり、7月上旬から撮影に入る予定だった。日本でもロケを行う予定で、ヨンハさんは「韓日の距離がさらに縮まる契機となる。日本での撮影で難しいことがあれば手助けする」とも話していたという。しかし、6月29日に予定されていた打ち合わせには姿を見せず、連絡もつかなかった。

 ヨンハさんを知る関係者は「4月に、キャラクター契約をするロッテ免税店の撮影で会った時は本当に元気だった。マネジャーも『ツアーやドラマも決まり(ヨンハさんは)気合が入っている』と話していた」という。しかしその一方で、日本の映像関係者は「来日した際はホテルで過ごすことが多く、食事もルームサービスで済ませるなど内向的な一面もあった」と話した。

 葬儀は「三日葬」で行われ、2日午前8時に病院を出棺する。遺体は城南火葬場で荼毘(だび)に付され、城南永生院に埋葬されると韓国メディアが報じた。

 

 [2010年7月1日8時44分

 紙面から]ソーシャルブックマーク