食道がんであることを公表したサザンオールスターズ桑田佳祐(54)が7月31日、レギュラー出演しているTOKYO

 FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(土曜午後11時)で病状を報告した。同番組は食道がんを公表した同28日に収録。桑田は明るい声で冒頭から17分にわたり検査から、8月初旬に予定している手術までの経緯を細かく説明した。妻の原由子に「原さんには頭が上がらない」と感謝し、「死んでも戻ってくるから」と手術前最後の肉声で復帰を誓った。

 桑田の声は終始、明るく元気だった。食道に腫瘍(しゅよう)が見つかったのは7月12日。内視鏡検査で桑田の目にもはっきりと、食道の突起が見えた。「悪性でしょうか」と問う桑田に、担当医は「見たところそうだと思います」。確実な病理検査の結果が出るまでの1週間は、さすがの桑田も落ち込んだという。「いろんなことを考えました。悔やんだり、くよくよしたり、原さんにもくよくよしたことを言いました。正直、落ち込んだ時期もありました」。

 病理検査で「比較的初期のがん」と分かった瞬間、妻の原が、かかりつけの医師の幼なじみが、がんの権威の医師であることを思い出した。「原さんの行動力がフル稼働したおかげなのですが、病理検査の結果を聞いて、すぐにそこに行って再検査をしていただいた。場所は(食道の)真ん中より下の、胃に近い所で。食道と胃をつなぐ手術をして、入院は2、3週間の見込みだと言われました」。命と同じ「声」についても「極端の場合、声が出なくなってしまうこともありますけど、これは安心してください。必ず元に戻ることですから」と説明を受け、「1年後にステージに立てるでしょう」と太鼓判も押されたという。

 「デビュー以来、仕事をしないで過ごすことはなかった。こうなったのは初めてのことで自分が一番ショックでびっくり。『ちょっと休むように』と死んだ両親、姉貴が言ってくれているんだろうなと。今はとても前向きに、へこたれずに、先生に全幅の信頼をお寄せして、がんに正面からぶつかっていこうと考えています。姉貴が2年前に亡くなったんですけど、オレを迎えにくるのは本当に早すぎだと思った」。

 オリジナルアルバムの制作は終盤で4曲、レコーディングを残していた。「予定は変わってしまいましたけど、しばしお待ちを。復帰するまでにどういう時間経過か分かりませんが、死んでも戻ってきますから。ミュージシャンとして戻ってくることを目指しています。回復をどうかお祈りください」と誓っていた。

 [2010年8月1日8時7分

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