映画、音楽評論家として活躍した今野雄二(こんの・ゆうじ)さんが2日夕方、東京・渋谷区内の自宅アパート内で亡くなっているのが発見された。66歳。詳細は不明。警視庁では自殺の可能性が高いとみて調べを進めている。

 今野さんは大学卒業後、マガジンハウスに入社。「平凡パンチ」編集部に配属され、映画担当になったことで、日本テレビ系「11PM」に出演。キレのいいトークで毒舌家として鳴らし、「コンちゃん」の愛称で親しまれた。「an・an」編集部などを経て同社を退社。評論家に転身した。

 さまざまな分野で多彩な才能を発揮した。86年、イタリアのダンスグループの楽曲をカバーした歌手石井明美の大ヒット曲「CHA-CHA-CHA」の日本語訳を手掛けた。舘ひろしの「泣かないで」の作詞も手掛けている。また、レコードデビューも果たしている。ダンディーな着こなしで知られ、84年にはベストドレッサー賞を受賞。ファッションショーの司会を務めることも多かった。

 知人によると、パソコンなどの機器に慣れず、長年原稿を手書きで書く一面もあった。1カ月前には映画会社の試写会に訪れ、元気な姿を見せていたという。

 [2010年8月3日10時52分

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