NHKが累計発行部数130万部超と大ヒット中のビジネス小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)をアニメ化し、来年3月中旬から総合で放送することが16日、分かった。30~40代の男女を対象に、放送開始を午後10時55分と遅い時間に設定して全10話放送する。総合でのアニメは、06年4~12月まで放送された「少女チャングムの夢」(韓国MBC制作)以来、約5年ぶりとなる。

 09年12月3日の原作発売後、ビジネス本とは思えないかわいらしい表紙と、ドラッカーの名著「マネジメント」を読み解く書物として社会現象を巻き起こした。NHKでは長期の経済不況が続く中、不況打開のヒントになるような番組をつくろうと模索し、今年初めから話題の「もしドラ」に着目し、水面下でアニメ化する方向性を探ってきた。

 アニメ化する最大の狙いは、不況になると必ずといっていいほど読まれる名著「マネジメント」のエッセンスを、より身近に感じてもらうことだった。そこで視聴者を働き盛りの30、40代の男女に絞り、総合でニュースが終わった後の枠を使うことにした。また野球部が舞台のため、選抜高校野球大会が行われる3月中旬に放送することにした。

 現在、鋭意制作中で声優もオーディション中だが、10月中旬にメーン画像が完成した。原作の表紙をモチーフに、主人公の川島みなみがより大人っぽく、スリムに描かれている。NHKは今季「ジャイアントキリング」「心霊探偵八雲」「メジャー」「バクマン。」と話題の作品を次々放送しているが、人気作同様、質の高いビジュアルになっており、アニメファンにも見逃せない作品となりそうだ。

 [2010年10月17日6時29分

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