演歌歌手鳥羽一郎(59)が22日、長男でシンガー・ソングライターの木村竜蔵(22)と初共演した。この日、三重県鳥羽市の鳥羽マリンターミナルで行われた第56回鳥羽みなとまつりでの「鳥羽一郎デビュー30周年ふるさとコンサート」に、木村がゲストとして出演した。

 新曲「夜風」などを歌う鳥羽が、中盤に木村を呼び込むと、鳥羽の風貌からは想像できないイケメンが登場し、どよめきと拍手が起きた。鳥羽より10センチ高い180センチで、プロゴルファー石川遼似だ。ステージでは、2人でギターを抱えて、井上陽水のヒット曲「リバーサイドホテル」など2曲を歌い、その後、木村が新曲「億色」を披露した。わが子のパフォーマンスを目の当たりにした鳥羽は「照れくさいよね」と話した。

 木村は、音楽専門学校に在学中の17歳の時にインディーズの「愛しきひとよ」でデビューした。歌手になることは、鳥羽に相談しなかったが、3歳の時に父の「北の鴎唄」をカラオケで歌っていただけに「父の姿を見て、小さい時から潜在的に歌手を目指したと思います」と振り返った。目指すアーティストは故尾崎豊さんで、新曲「億色」は、十人十色という格言が世界約70億人全ての人に当てはまるというメッセージが込められている。

 現在は、事務所を一緒に立ち上げる予定だったプロデューサーが急逝し、メジャーデビューは先延ばしとなっており、「まずはやり続けられることが目標」と話す。漁師から歌手の世界に飛び込んだ鳥羽は「もっと経験して苦労すれば、いい詞、メロディーが浮かんでくる」と激励した。【笹森文彦】