直木賞作家で、阪神ファンとしても知られ、テレビでも活躍した藤本義一さんが30日午後10時18分、兵庫県西宮市の兵庫医大病院で、肺炎のため79歳で亡くなった。
襲名時に藤本さんから最後の書をもらった落語家桂文枝(69)が弔問に訪れ、涙を流した。「お顔を見ますと、おひげがあって、中世ヨーロッパの騎士のようなお顔でした。もともと、格好いい方でしたが、いつもと違った(格好良さ)」。午前にはマスコミ各社に追悼コメントを送付。(7月の6代文枝)襲名直前の6月に「男は振り向くな」と記した書をもらった時の思いを明かしたが、弔問後に取材陣の前であらためて感謝の思いを示した。<追悼コメント>
悲しくて
悔しくて
寂しくて
今はただ、
ありがとうございました
やすらかにお眠りくださいの言葉しか思いつきません。襲名前、先生からお言葉をいただいたのが最後でした。
「男は振り向くな
すべては今」
どれだけ勇気づけられたことか
こんにち襲名披露公演でまわりながら、文枝という名に迷いなく自信と誇りが芽生え始めたのも
先生のお言葉のおかげです。
今年の社会人落語の審査でお会いできるのを楽しみにいたしておりましたが、あのころから体調を崩され心配いたしておりました。
本当に
なんでもよくご存知で
なんでも相談に
長年にわたりのっていただきました。
先生が書かれた
「蛍の宿」で
主役の織田作之助をやらせていただいたのが
私の忘れられない
勲章です。
フッフと笑いながら
低い声で話す先生にもう1度会いたかったです。
合掌。(桂文枝)