<連載「気になリスト」(11)>

 「週刊プレイボーイ」を売り切れさせる女優がいる。鈴木ちなみ(23)。1月に初水着グラビアが掲載された途端に話題に。4月に表紙を飾ると、書店、コンビニから、同誌が消える現象が起きた。AKB48の独り勝ちで他のグラビアタレントが苦戦する昨今、奇跡と呼ばれている鈴木が30日に初写真集「ちなみに…」を発売。26日には先駆けて、同誌で手ぶらヌードの表紙も飾ることになった。

 08年にスカウトされ、ファッション誌「with」の専属モデルになると、10年東レ水着キャンペーンガールにも選ばれた。山口智子、藤原紀香、山岸舞彩らを輩出した名誉ある称号を得たが、エッチな視線で見られることに抵抗感はあった。

 「本当は水着グラビアすら嫌いでした」

 転機は、昨秋に週プレの女性編集者との出会いだった。芸能生活5年目の飛躍を期し、一念発起で水着を再解禁すると「自分の知らない自分の魅力を引き出されました」と、苦手意識は吹き飛んだ。同編集者は「元祖癒やし系の井川遥さんとダブりました。今の時代にいないタイプ」と解説した。

 本業の女優としてドラマや舞台に出演しながら、リポーター業でも注目されている。フジテレビ系「めざましどようび」の旅コーナー「ココ調~TOP

 OF

 THE

 WORLD」で、世界中を旅する毎日だ。バックパッカースタイルで、これまで14カ国を回り、バンジージャンプに挑んだり、ペルー・マチュピチュ遺跡の温泉に水着で入ったりと、体当たりで挑戦中。“土曜朝のアイドル”として、すっかり人気者になった。

 初写真集での、衝撃の手ぶらヌードも、その旅の財産だ。本紙に独占提供してくれた1枚では、トレードマークのさわやかな笑顔で、胸を隠して、緑と紫と黄色が鮮やかなレイをかぶっている。「南太平洋最後の楽園、クック諸島をリポートした時に、現地のモデルさんの美しい手ぶらヌードの写真を見かけたんです。レイも緑の葉っぱを使っていて個性的でした」。この構図を編集者に提案。表現者として成長した証しだ。

 鈴木が起こしたグラビア革命を受け、後輩の女性誌モデルたちも、こぞって水着グラビアに挑戦し始めた。モデル系グラビア女優-。近年絶滅していたジャンルを復活させた鈴木は、来年以降も気になる存在だ。【瀬津真也】

 ◆鈴木ちなみ

 1989年(平元)9月26日、岐阜県生まれ。大学1年の08年に名古屋でスカウトされる。10年にドラマ「しぇいけんBABY!」で女優デビュー。今年は映画「BRAVE

 HEART海猿」などに出演。NHK・Eテレ「高校講座

 生物」(金曜午後2時40分)でも司会。「セシール」CMモデル。今日19日は「しゃべくり007

 SP」(日本テレビ系午後9時)に出演。167センチ、B80-W59-H86センチ。血液型A。(11月19日付・紙面から)