歌手荻野目洋子(45)が16日、20年ぶりとなるコンサートを東京・赤坂ブリッツで開いた。今年はデビュー30周年。子育てが一段落したタイミングと重なり、復帰を決意した。ヒット曲「ダンシング・ヒーロー」などを歌い、ミニスカートの衣装も披露。熱狂的なファンから大声援を浴びた。

 ファンは冒頭から大興奮だった。「荻野目ちゃ~ん」の大声援があちこちで沸き起こる中、客席の通路にスポットライトが照らされた。次の瞬間、ショートカットの荻野目が現れた。われ先にハイタッチや握手を求めるファンが殺到。押し寄せるファンをかき分けるようにステージに進むと「みんなぁ~、会いたかったよぉ~」と呼びかけた。これにファンは「おれもだよ~」と応じ、20年ぶりのステージが幕を開けた。

 94年に発売したアルバムを引っさげた公演を行って以降、本格的なステージに立つことはなかった。アイドル路線から脱皮をはかろうとクラブ系ミュージックに傾倒。ニューヨークに渡って本場のボイストレーニングに取り組み、新しい音楽との出合いを求めてロンドンのクラブにも足を運んだ。

 私生活の転機もあった。01年、妊娠4カ月で高校時代の同級生だったプロテニス選手の辻野隆三と結婚を発表。その後も04年、06年に出産し、音楽活動と遠ざかった。この日は、当時について「燃えつき感もあった」と振り返った。「もう歌うことはないのかな」と考える日々だったという。

 心境が変わったのは数年前。子供たちが12歳、10歳、8歳に成長。音楽に対する意欲が再びうずき始めた。最近になってテレビ番組に数回出演した。復帰を望む声が耳に届き、背中を押された。「また歌ってもいいんだな」と思えた。本格的なボイストレーニングに取り組み、テニスやサイクリングなどで体力アップにも励んだ。今年8月には30周年記念アルバム「ディア・ポップシンガー」を発売し、持ち前の高音に力強さが加わるなど自信も得た。

 この日はソロデビュー曲「未来航海」や「ダンシング・ヒーロー」「六本木純情派」など31曲を披露。「歌うことで細胞がムクムクと広がっていく気がする」と、音楽あっての自分を再認識。約2時間のステージを夫と3人の娘も会場で見守った。今後については「家庭のこともきちんとやりながら音楽に向き合っていきたい」と話した。

 ◆荻野目洋子(おぎのめ・ようこ)1968年(昭43)12月10日、千葉県生まれ。84年「未来航海」でソロデビュー。「ダンシング・ヒーロー」など41枚のシングルと29枚のアルバムを発表。87年アルバム「NON

 STOPPER」がオリコン年間ランキング1位。姉は女優荻野目慶子。01年プロテニス選手の辻野隆三と結婚。3女の母。血液型B。<荻野目と同期(84年)デビュー歌手の近況>

 ▼長山洋子(46)

 09年に米国人男性と結婚。同年は期間限定でアイドル活動も行った。10年8月に女児を出産。同11月に活動再開させた。今年5月に新シングル「恋の津軽十三湖」を発売。

 ▼吉川晃司(49)

 11年6月に一般女性と結婚。女性は結婚前に第1子も出産していた。俳優としても活動する一方、今年6月にベストアルバム「SINGLES+」、9月に新シングル「Dream

 On」を発売。

 ▼菊池桃子(46)

 95年に結婚したプロゴルファー西川哲との間に1男1女をもうけたが12年に離婚を公表。同年に母校、戸板女子短大の客員教授に就任。4月にベストアルバム「青春ラブレター」を発売。