古舘伊知郎(60)が今年10月に都内で行った単独トークライブ「トーキングブルース」が、テレビ朝日系で放送されることが15日、分かった。同ライブは88年から03年まで毎年開催されていたが、古舘が04年から同局系「報道ステーション」キャスターに就任したことから封印していた。今年は、フリーアナになって30年、「報道ステーション」キャスターになって10年、さらに60歳になるという節目でもあり、周囲の勧めもあって、11年ぶりの復活を決意。一夜限りのプレミアム復活公演として注目され、チケットは即日完売する人気ぶりだった。

 当日のライブは「報道ステーションとはぐっと違う許容範囲ギリギリの放送コードの中で話したい」と意気込んでいた通り、世の中に感じる矛盾や悲しみ、嘆き、苦しみをユーモアを交えて披露。話題は、戦争、医学、ネット社会、家族のあり方、さらには、報道番組の裏側など多岐にわたっている。「報ステ」キャスターとしての日常や「しゃべり」に対する思いも熱く語って観客を魅了した。

 同局は、本番まで約半年間にわたった準備に密着。「なぜ今、語るのか」「何を今、語るのか」という問いの答えを追求しながら取材を重ねた。ライブの舞台裏も楽しむことができるドキュメンタリーとして、地上波、BS、CSに分けて放送することが決まった。番組はそれぞれ、公演の模様を中心にしているが、密着取材の部分や、過去のライブ映像の紹介など、構成は微妙に異なっている。

 「報ステ」キャスターとはまた違う、しゃべり手としての魅力や実力にあらためて触れることができる貴重な機会となりそうだ。