嵐の二宮和也(29)が、映画で東野圭吾氏(53)のミステリーに挑戦することが26日、分かった。東野氏の原作で大ヒット中の「プラチナデータ」が来年公開予定で映画化されることになり、二宮が、DNA解析捜査の天才科学者から逃亡者に転落する主人公・神楽龍平を演じる。

 物語の舞台は近未来5年後。神楽が所属する特殊捜査機関が、極秘に集めた国民のDNAデータ(プラチナデータ)を基に犯罪を捜査するが、DNA捜査が通用しない連続殺人事件を契機に、神楽は「追う者」から「追われる者」に転落する。捜査網をかいくぐり逃亡する中で、ある秘密にたどり着く…。

 天才科学者と逃亡者。二宮にとっては、性格の違う役を演じ分ける新境地への挑戦になるが、東宝の渋沢匡哉プロデューサーは「スーパースターで、いろんな役ができる」と、二宮の才能にほれ込んでの起用を決めたという。事実、二宮は映画だけでも「GANTZ」「大奥」や、ハリウッドデビュー作「硫黄島からの手紙」で個性的な役を演じ分け、それぞれの作品をヒットにつなげてきた。東野作品は08年TBSドラマ「流星の絆」以来2作目になるが、今回の大役にも「そう遠くはない未来なんだ、と思わせる原作のすごさ。そんな作品に参加できて光栄です。作品の魅力を余すところなくお届けできるよう、頑張ります」と意気込みを見せている。

 科学捜査に疑問を抱くベテラン刑事は、豊川悦司(49)が演じる。二宮とは初共演だが、「二宮さんは若手の中でもひときわ個性の強い素晴らしい俳優」と、撮影を心待ちしている。監督は大友啓史氏。NHKドラマ「ハゲタカ」でイタリア賞、NHK大河ドラマ「龍馬伝」でエランドール作品賞など今、最も勢いのある演出家として知られる。話題の原作、豪華な役者陣、旬の監督をそろえた渋沢プロデューサーは「原作の要素を生かしながら、映画独自の大胆な脚色も考えている。心理トリックでハリウッドに負けない大作を目指す」と話す。撮影は来月スタートし、夏に完成予定という。

 ◆プラチナデータ

 映画化を前提にした小説で、東野氏が執筆したミステリー。3年半にわたり、幻冬舎「パピルス」に連載されたものを10年6月に単行本化、現在までに21万部のセールスを記録している。関係者によると、映画会社やテレビ局など20社以上から映像化オファーが殺到していたという。