第71回ベネチア映画祭(8月27日開幕)の最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門に、塚本晋也監督(54)の「野火」(来年公開予定)が出品されることが決まった。映画祭事務局が24日、発表した。

 「野火」は作家大岡昇平氏の戦争文学が原作で、59年に市川崑監督も映画化。日本兵による人肉食にも触れた問題作で、塚本監督が主演、リリー・フランキーらが出演している。脚本は20年前から温めてきたが、映像化が困難で出資が集まらず、自主製作という形で自ら主演したという。

 塚本監督の同部門出品は09年「鉄男

 THE

 BULLET

 MAN」以来5年ぶり2度目。「この時期に世界に発信できることの意義をひしひしと感じています」とコメントした。

 また、斬新な作品を集めるオリゾンティ部門に、加瀬亮(39)主演の韓国映画「自由が丘8丁目」(ホン・サンス監督、12月公開)が出品されることも決まった。