女優吉永小百合(72)120本目の映画で、堺雅人(43)と親子を演じる「北の桜守」(滝田洋二郎監督、来春公開)に、篠原涼子(43)佐藤浩市(56)阿部寛(52)らが出演することが21日、分かった。篠原、佐藤は、吉永と初共演。スタッフには演劇界、音楽界のトップクラスが名を連ね、豪華布陣となった。

 戦中、戦後の樺太、北海道を舞台にした物語。過酷な環境を生き抜く主人公・江蓮てつの義理の娘を演じる篠原は「大変光栄に思います。吉永さんにキツくあたる嫁の役ですので全力で頑張って、現場ではかわいがっていただけたら」とコメント、闇米を扱う男を演じる佐藤は「撮影所などですれ違う時に感ずる吉永さんのたおやかなたたずまいに魅了された自分が、まさか同じ現場の空気を吸えるとは。シーン1つ1つ大切にしたい」と話している。

 夫役の阿部は、14年の「ふしぎな岬の物語」で、おい役だったことを振り返り「今回は夫。これまで以上に身の引き締まる思いですが、今から撮影が楽しみです」。ほかに高島礼子、中村雅俊、笑福亭鶴瓶、岸部一徳が出演する。

 過去を振り返る劇中劇の場面は、近年、演劇各賞を受賞するなど活躍がめざましい演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が、音楽はシンガー・ソングライター小椋佳が手掛ける。同作は先月、北海道網走市で冬シーンのロケを終え、4月下旬から6月末に東京近郊、稚内市、せたな町、札幌市で撮影を行う。