大麻を所持していたとして警視庁渋谷署に大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕された男性アイドルグループKAT-TUNの元メンバーで、歌手の田中聖容疑者(31)が26日朝、同署から送検された。

 小雨の降る中、同署前には約50人の取材陣が駆けつけた。午前8時20分ごろに十数人の警察官が警備をする物々しい雰囲気の中、田中容疑者を乗せた護送バスが出発すると、カメラマンの無数のシャッター音が鳴り響いた。バスのガラスはスモークガラスとなっており、田中容疑者の表情などはうかがえなかった。

 同署によると、田中容疑者は調べに対し「車の中にあった大麻は自分のものではない」と容疑を否認。逮捕された際は、田中容疑者は落ち着いた様子で警察官の取り調べに応じていたという。

 同署によると、24日午後6時過ぎ、渋谷区道玄坂2丁目の路上で車を運転していた田中容疑者と、警視庁自動車警ら隊の車両がすれ違った際、田中容疑者の車が急に加速するなど不審点があったという。隊員が車の停車を求めると、車内から乾燥大麻の花穂部分(通称バッズ)1つがむき出しの状態で、運転席と助手席の間から発見された。車内からはたばこの葉を巻く巻き紙も見つかった。

 捜査関係者によると、田中容疑者は逮捕時、薬物やアルコールの影響下とみられる状態ではなかった。車は本人名義で、同乗者はいない。渋谷に来た理由について、「渋谷に友達に会いに来た。駐車場を探していた」と話しているという。同署は今後、尿検査や家宅捜索などを行う方針。

 田中容疑者は98年にジャニーズ事務所に入所、01年4月にKAT-TUNを結成も、13年9月に契約解除された。その後、14年10月にロックバンドINKT(インク)を結成しボーカルを務めていた。今年3月からは全48公演の全国ツアーを開催中で、27日には三重県でライブを行う予定だった。