女優三田佳子(77)の次男で、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われている高橋祐也被告(38)の判決公判が13日、東京地裁(開発礼子裁判官)で開かれ、懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決を受けた。執行猶予期間中は、保護観察付きとなる。

高橋被告はこの日、黒のジャケットの中に白のシャツを着て、濃い灰色のパンツを履き、茶色の大きな手提げバッグを2つ持って入廷。入廷時には大きく一礼し、被告人席に座った。裁判官から証言台に立つよう呼び掛けられると「はい」と、ハッキリした口調で答えた。

判決で開発裁判官は「覚せい剤で前科2犯を有し、常習性、依存性が認められる」としたが、一方で「入手先を素直に供述し、更生の意欲もみせている」と述べた。

そして、「覚せい剤を使わない日を1日、1日、積み重ねていってもらいたいと思います。そのためには、あなた自身の環境をどう整えていけば良いか考えてください」とした。判決を聞いた高橋被告は「はい」とし、「ありがとうございました」と頭を下げた。

起訴状によると、高橋被告は9月9日ごろ、東京都渋谷区の自宅で覚せい剤を使用したとしている。11月30日の初公判の際、高橋被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、即日結審し、検察側は懲役2年6月を求刑していた。

高橋被告は、これまで覚せい剤をめぐり4回逮捕されており、08年には懲役1年6月の実刑判決を受けている。被告人質問などによると昨年10月ごろ、薬物の売人だった友人のすすめで「1度だけ」という気持ちから使用を再開。徐々に使用頻度が増え今年6月ごろには週に1回、購入するようになったという。

高橋被告は10年に一般女性と結婚、同年、第1子となる男児が誕生しているが、現在は別居中だといい、覚せい剤の使用理由については「1人になると寂しく、不安になる」とし、「依存症の認識が希薄になっていた」と口にした。

初公判の際は、今後は沖縄のリハビリ施設に入寮する予定だと語った。その上で「依存症の怖さというものを身にしみて感じた。自分の犯した罪を償い、いつか依存症をカバーできる人間になりたい。このたびは申し訳ありませんでした」と謝罪していた。