遊びから五輪競技へ、スケートボードが20年東京五輪に向けて動き出した。日本ローラースポーツ連盟は、国際連盟(FIRS)や東京五輪・パラリンピック組織委員会の関係者が見守る中、初の「代表選考会」を開催。男女上位各10人が初開催の世界選手権(9月・中国)代表を目指す強化指定選手候補となった。初代の日本選手権覇者は女子が西村碧莉(15)、男子は池田大亮(16=ともにムラサキスポーツ)。選手たちの東京五輪に向けた争いも始まった。

 初代女王となった西村は「優勝しないといけないと思っていたので、良かった」と笑顔で話した。昨年10月に世界最高峰の「ストリートリーグ」最終戦に日本人として初出場。世界で活躍し始めた15歳は「日本選手権の第1回という意識はないです。普通の大会です」と言い切った。

 サッカーやテニス、ゴルフと同じように、スケーターにとって五輪は「最高の舞台」ではない。「東京五輪に出たい」とは言うものの「ゴールではなく、通過点。東京五輪後には米国に行きたい」と話す。4月からは都内の通信制高校の第一学院四ツ谷キャンパスで学び、練習漬け。「もっともっと難しいトリック(技)を決めたい」と笑った。

 「私、話すの苦手なんです。でも、最近は取材される機会も多くて、慣れました」。ポツリと漏らした本音。それだけ、注目度は高い。この日、視察した国際連盟役員から「女子のレベルが高い」と絶賛された日本。エースとして、西村の東京五輪メダル獲得への期待はまだまだ高まる。