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2004年J1第1ステージ優勝特集
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第6節 写真を見る

横浜FW久保、日本代表復帰に祝砲

<磐田2−0東京>◇4月17日◇ヤマハ

 横浜FW久保竜彦(27)が、自らの日本代表復帰に祝砲を放った。G大阪をホームに迎えた前半16分、果敢なドリブル突破でFW坂田の先制ゴールを誘うと、23分には左からのパスを冷静に流し込み1ゴール1アシスト。無断外出で代表から除外されていたストライカーがチームを2−1の勝利に導き、観戦したジーコ代表監督に好調ぶりをアピールした。首位を独走する磐田は、FWグラウ(27)の2得点で2−0と東京に快勝した。

 ストライカーとしての本能に身をゆだねた。日本代表に呼び戻してくれたジーコ監督の視線を背中に感じながら戦った90分間。勝利の笛を耳にした瞬間、夜空を見上げて、大きく息を吐いた。寡黙な男は祝福に駆け寄る仲間に笑みで応え、達成感に酔いしれた。

 「いいパスだったし、決められてよかった。(2トップを組んだ)坂田は足が速く、よく動いてくれたのでやりやすかった」。前半16分、右サイドでパスを受けると猛然とドリブルを仕掛けた。ペナルティーエリア付近でDF3人に囲まれたが、体を反転しながらキープ。最後は体勢を崩しながら、中央を駆け上がる坂田の足元へパスを送った。同23分には左からのパスを受け、左足で冷静に流し込んで今季3点目をマーク。自らの足で、チームを勝利に導いた。

 2月の代表合宿中に無断外出し、3月末のW杯予選シンガポール戦のメンバーから除外された。直前の同オマーン戦ではロスタイムに決勝弾を決めていたが、築いてきた信頼も1度に失った。ならば、まずクラブで。原点を意識したのもこのときだった。昨季王者の横浜は開幕連敗で一時14位に低迷。主力に故障者が相次ぐ状況で、結果を残さなければならなかった。

 久保のプレーエリアをゴール近くにするため、岡田監督は韓国代表FW安を控えに回し、運動量のある坂田を先発で送り込んだ。両サイド、最終ラインから次々とパスが送られた。期待を寄せてくれるクラブと代表の両指揮官への感謝の思いを込め、2得点に絡む勝利という結果で示した。

 あす19日にはアジアCL城南一和戦のため韓国へ出発する。21日の試合後、そのまま代表チームの待つ欧州へと飛ぶ。ハードな日程だが、もう脇目を振ってはいられない。ゼロからの再出発。「頑張ります」。久保が、その第1歩を踏み出した。【山下健二郎】

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 久保の闘志をかき立てたのは、日本代表への復帰以上に「家族の厳しい視線」だったかもしれない。無断外出が発覚した際、一部で久保が飲食店で他の客に向かってすしを投げたという報道がされた。内容がすべて事実ではなかったが、周囲の冷ややかな視線は自然と家族にも向けられた。

 「あなたのおかげで、おすし屋さんに行けなくなったじゃない」。冗談めかして佳奈子夫人(28)が漏らしたひと言がこたえた。昨年広島から移籍し、ようやく近所にできたなじみのすし屋。家族にとって、貴重な憩いの場から足が遠のいた。今年の7月7日、七夕には待望の第2子が産まれる。「子供をふろに入れるのが最大の楽しみ」と口にする久保にとって、家族の存在が何よりの励みだ。

 この日、長女柚李ちゃん(6)を連れて観戦した佳奈子夫人は「活躍できてよかったです」とホッとした様子。同級生だった筑陽学園高時代から支えてくれた愛妻の合格点に、久保もひと安心したことだろう。【横浜担当 山下健二郎】

 ◆監督通算勝利 岡田監督がJ1通算30勝目をマークした。37人目。J1、J2ともに30勝以上は、清水秀彦監督(仙台など)に次ぎ2人目。

[2004年4月18日付紙面から]

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