【セーケシュフェヘールバール(ハンガリー)17日=益田一弘】リオデジャネイロ五輪の陸上男子100メートル代表、桐生祥秀(20=東洋大)が、前世界記録保持者に真っ向勝負を挑む。五輪前最後のレースとなる18日(日本時間19日)のハンガリーでの国際大会で、07年9月に当時の世界記録9秒74を出したアサファ・パウエル(33=ジャマイカ)と走ることになった。

 桐生にとって、パウエルは特別な存在だ。中学から陸上を始めた桐生が最初に名前を覚えた外国人スプリンターがパウエルとタイソン・ゲイ(米国)。パウエルは08年5月にボルトに記録を抜かれるまで「世界最速の男」だった。自己記録は9秒72で、33歳となった今年6月にも9秒98をマークしている。他にも9秒85を持つロジャース、40歳で9秒93を出したコリンズらが出場予定で五輪準決勝級の豪華レースとなった。

 桐生はこの日、会場でスタートを確認した。気温17度のハンガリーに「少し寒いですが。頑張ります」と話した。五輪では着順で決勝に進出するために準決勝2着以内が求められる。「全部をもう1段階上げられる」と言う「ジェット桐生」がフルパワーで挑戦する。