リオデジャネイロ五輪競泳男子で金メダルに輝いた米国のリレーチームの4人が虚偽の強盗被害を地元警察に通報した問題で、ライアン・ロクテは19日、写真共有アプリ「インスタグラム」で「(事実を)慎重、率直に伝えなかった」としてうその通報を認め、大会主催者やファンらに謝罪した。

 米国オリンピック委員会(USOC)も「容認できない振る舞い。米国チームの価値観にそぐわない」と非難、主催者やブラジル国民にわびた。

 リオデジャネイロのパエス市長は19日、虚偽通報は「残念であり、軽蔑する」としたが、謝罪を受け入れる姿勢だ。大会組織委員会の広報責任者は19日「ロクテ氏の謝罪を受け入れる」と述べた。

 USOCの声明などによると、ロクテら4人は14日早朝、リオ市南部で開かれたパーティーからタクシーで選手村に戻る途中、立ち寄った西部バーラ地区のガソリンスタンドでトイレの扉などを壊し、警備員2人に銃を向けられた。修理費を要求され、金を支払ってその場を立ち去った。

 選手らはその後、パーティーからの帰途に銃を持った警官を名乗る一団に襲われ、財布などを奪われたと訴えていた。

 ロクテはすでに帰国。他の2人は警察の事情聴取の後、帰国を許された。警察施設近くに集まった市民らから「うそつき」「恥知らず」などと罵声を浴びた。

 残るジェームズ・フィーゲンは18日、事件担当判事の前で謝罪し、3万5000レアル(約108万円)を慈善事業に寄付することを約束。訴追回避が狙いとみられ、19日にも帰国の途に就く。