国際重量挙げ連盟(IWF)は24日、2008年北京五輪のドーピング検査の検体を国際オリンピック委員会(IOC)が再検査した結果、メダリスト11人を含む15人が禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。

 今年6月以降に違反が発覚した同五輪のメダリストは男女合わせて15階級で計16人に上り、全メダリストの3分の1以上の違反が判明。ドーピングがまん延する異常な実態が明るみに出た。

 この日発表された選手では、いずれも中国勢の女子で48キロ級の陳燮霞、69キロ級の劉春紅、75キロ級の曹磊の金メダリスト3人のほか、銀メダル3人、銅メダル5人に違反が認められた。三宅宏実(いちご)が6位だった女子48キロ級は銀メダルのセビル・オズカン(トルコ)も既に失格処分となっている。

 薬物問題が深刻な重量挙げは、IOCが最新の分析技術を用いて再検査した北京と12年ロンドン両五輪の検体で多くの違反が発覚している。度重なる違反でロシアとブルガリアが出場資格を失った今夏のリオデジャネイロ五輪でも、男子69キロ級のイザット・アルティコフ(キルギス)が失格となり、銅メダルを剥奪された。

 北京五輪のドーピング再検査で、これまでに違反が発覚した重量挙げのメダリストは次の通り。

 【男子】

 ▽69キロ級銅・マルチロスリャン(アルメニア)

 ▽85キロ級銀・リバコ(ベラルーシ)

 ▽94キロ級金・イリン(カザフスタン)銅・アカエフ(ロシア)

 ▽105キロ級銅・ラピコフ(ロシア)

 【女子】

 ▽48キロ級金・陳燮霞(中国)銀・オズカン(トルコ)

 ▽53キロ級銅・ノビカワ(ベラルーシ)

 ▽58キロ級銀・シャイノワ(ロシア)▽63キロ級銀・ネクラソワ(カザフスタン

 ▽69キロ級金・劉春紅(中国)銅・ダビドワ(ウクライナ)

 ▽75キロ級金・曹磊(中国)銅・エフシュキナ(ロシア)

 ▽75キロ超級銀・コロブカ(ウクライナ)銅・グラボベツカヤ(カザフスタン)