初のメダル獲得を目指して5位で団体決勝に進出した日本(杉本、松原、畠山、横田、熨斗谷)は8位に終わった。1種目目のリボンの大技「4本投げ」が乱れ、予選の得点より1点近くも低い16・550で8位と出遅れ。2種目のフープ・クラブで上位を狙いミスのない演技を披露して17・650の高得点をマークしたが、2種目合計34・200点で最下位は変わらなかった。

 悲願のメダル獲得はならなかった。前日の予選ではミスの目立ったメダル常連国が、決勝ではしっかりとまとめてきた。逆に日本は予選ほど伸びやかな演技ができず、高得点への切り札となるはずの大技「リボン4本投げ」をミス。低い得点には観客席のブラジル人からもブーイングが出たが、この時点で最下位に沈んだ。フープ・クラブはミスのない演技を見せたものの、上位は遠かった。

 それでも、前回のロンドン大会に続く入賞。昨年世界選手権の種目別リボンで銅メダルに輝くなど、メダルが見える位置まで来た。04年アテネ五輪で出場権を逃した後、立て直しを任された山崎浩子強化本部長の「選抜オーディション」や「代表選手の共同生活」、さらに「ロシアへの拠点移動」など斬新な強化策が、着実な成長を呼んだ。

 メダルはならなかったものの、5人の笑顔には真っ赤な口紅がキラリと光っていた。ロンドン五輪主将で現在は化粧品会社ポーラに勤務する田中琴乃さんが、大会出発直前にスポーツの神様で知られる東京・亀戸の香取神社で祈願してくれた「ジャパンレッド」の勝負リップ。多くの人の思いが「フェアリージャパン」を支えていた。

 山崎本部長は「実力はまだまだ。正直、メダルも遠い。でも、メダルを狙うと言えるところまでは来た。これからが勝負です」と話していた。悔しさを味わった妖精たちは4年後、東京五輪でのメダル獲得に向けてさらなる成長を目指す。