手倉森ジャパンの挑戦が終わった。1次リーグ最終戦が行われ、B組3位の日本はスウェーデンに1-0で勝って大会初勝利。1勝1分け1敗の勝ち点4に伸ばしたが、2位コロンビアがナイジェリアを2-0で下して同5としたため、日本の敗退が決まった。48年ぶりのメダル獲得こそ逃したが「谷間の世代」の世界1勝に、手倉森誠監督(48)は涙を流して感謝した。

 大会初勝利を告げる笛が鳴っても、喜びようがなかった。他会場の結果が分からない。コロンビアが引き分け以下に終われば8強だが、2分14秒後、2-0で勝たれた情報が入る。手倉森監督は中継局のインタビューで敗退を知り「負け、引き分け、勝ちとチームが向上してきた中での敗退は非常に残念」と悔やんだ。

 後半20分に途中出場のMF矢島が先制したが、ほぼ同時刻にコロンビアがリードを2点に広げていた。勝って敗退する複雑な結末。就任から952日目のラスト采配を終えた手倉森監督はロッカールームで感謝した。「長い間、付き合ってくれてありがとう。ロシアW杯、東京五輪、カタールW杯を目指してほしい」。涙が頬を伝っていた。監督業に就いてから泣くのは3度目だ。仙台時代の10年に双子の弟の浩ヘッドコーチを解任した時、11年の東日本大震災後の初戦で川崎Fに勝った時。親族、故郷東北に対するものと同じ愛情が教え子に芽生えていた。

 五輪では48年ぶりの5失点に、史上最多の4得点と打ち合った初戦ナイジェリア戦。藤春のオウンゴールを含む2失点を追いついたコロンビア戦。そして、手堅く1-0で勝ち切ったスウェーデン戦。アジアでも勝てなかったチームの飛躍に、指揮官は「コテンパンにやられて大会を去るわけじゃない。世界の修羅場を知らない監督と選手だったけど、やり方次第では世界に通じる国になりそうだなと思えた」。かつて五輪への出場すら危ぶまれた「谷間の世代」が世界で勝った。48年ぶりのメダルには手が届かなかったが、手倉森ジャパンの功績が色あせることはない。【木下淳】