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フェニックス豪快デモ/スプリンターズS

ウッドチップを高々と蹴り上げ坂路で追われたスズカフェニックス
ウッドチップを高々と蹴り上げ坂路で追われたスズカフェニックス

<スプリンターズS:追い切り>

 春と夏のスプリント・チャンピオンが、ともに万全の仕上がりを見せた。スズカフェニックス(牡5、栗東・橋田)は、坂路でシャープな動きを披露。馬インフルエンザの余波を受けて帰厩が2週間遅れたが、史上3頭目となる同一年の高松宮記念、スプリンターズS連覇へ向けて態勢を整えた。

 スズカフェニックスが豪快な動きを見せた。ラスト1ハロンで肩ムチが入り、手綱をしごかれると重心を下げる。短距離王者らしからぬ大きなフットワークで4ハロン51秒0の好タイムをたたき出し、ラスト1ハロンも12秒7と大きく乱れることはなかった。動きを見守った橋田師は「先週よりも、しまいの動きは良くなっている。先週は最も速いタイム(4ハロン50秒1)が出ているし、動けるとみていい」と納得の様子だった。

 栗東に帰厩したのは9月8日。馬インフルエンザの影響をもろに受け、予定よりも約2週間遅れた。それでもトレーナーは「影響がまるっきりないとは言えない。もっと余裕を持っていけたら良かったけど、帰厩後の2週間で仕上がってきた」と悲観していない。放牧地の岩手県・遠野馬の里で、800メートルの坂路を利用して乗り込ませた。太ると体重を落としにくいタイプのため、放牧中も体を増やさない調整を指示。「体重は10キロくらい減ると思う。トータルでみて態勢は整った」と手応えをつかんだ。当初は毎日王冠へ向かう予定だったが、夏のスプリント戦線を見て、スプリンターズS直行を決断。レースごとに勝ち馬がかわる現状なら、王座を防衛できると判断したからだ。

 フェニックスは当歳時、目の中にタンパク質がたまる病気になり視界が遮られた。1歳時には牧場近くの川がはんらんし、馬房がひと晩冠水する恐怖も体験。いずれも一過性のもので競走能力には影響しなかったが、いかなる逆境もはね返してきた姿を見て、永井オーナーの息子が「フェニックス」と名付けた。

 それらの体験によるものか、入厩当時は「用心深かった」(橋田師)馬がG1タイトルまで手にした。スプリンターズSに向けて、橋田師は「直線が短い中山コースだから、うまくさばけるか」とポイントを挙げる。だが、数々の苦難を乗り越えた馬が、多少の不安材料など問題にするはずはない。2つ目のタイトルは手の届くところにある。【高橋悟史】

[2007年9月27日8時37分 紙面から]

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