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サムソン史上4頭目の春秋連覇/天皇賞

- 天皇賞を制した武豊は両手を広げてガッツポーズ
<天皇賞>◇28日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上牡牝◇出走16頭
武豊騎手(38)が初コンビのメイショウサムソン(牡4、栗東・高橋成)を4冠目の勝利、史上4頭目の天皇賞・春秋連覇へ導いた。自身は秋の盾4勝目で、保田隆芳元騎手に並ぶ最多の春秋通算10勝目をマーク。同時に、前人未到のJRA通算3000勝に王手をかけた。高橋成忠師(67)は来年、欧州に長期滞在して凱旋門賞に挑むプランを明らかにした。
派手なガッツポーズはなかった。メイショウサムソンが2馬身半もの差をつけてゴールに飛び込むと、武豊騎手は軽く右拳を握り締めた。「ホッとしています。本当に、よくできた馬。国民の期待に応えてくれる馬です」と、新しい相棒をベタ褒めした。
幼なじみの石橋守騎手から引き継いだダービー馬の手綱。これまで自分で勝たなかったダービー馬はナリタブライアン、ジャングルポケットを依頼されたことがあったが、今回は前任者が最も慕う先輩だけに特別な責任を感じていた。惜しげもなく長所も短所も伝えてくれた宝塚記念までの主戦に対し「全部教えてもらった。すごく心強かったですね」と感謝しきりだ。
台風で前日に不良まで悪化した馬場は、やや重に回復していた。最内1番枠を引いたサムソンに天もほほ笑む。ゲートは16頭で一番早く飛び出した。「スタートは上手と石橋さんから聞いていましたから」。2番エイシンデピュティ、3番コスモバルク、4番デルタブルースと内の4頭が行く構えを見せる。競らずに3頭を行かせ、好位5番手に控えた判断がさえた。「周りに馬がいる形にはしたくなかった。向正面では折り合いがついて、いい感じ。ずっと自分の周りに空間があった」。勝負どころの4コーナーは「狙っていた」という内めを通って距離を稼ぎ、先頭をうかがう。直線に向くと、午後のレースでリサーチした馬場のいい部分まで外に持ち出して早め先頭。400メートルの間、トップを守り抜いた。G1馬6頭を向こうに回し、クラシック2勝と春に続く4冠目。現役最強の座を不動にした。道悪にもかかわらず走破時計は1分58秒4と速い。レースレコードに0秒4差。スタミナと勝負強さだけでなく、スピードにも磨きがかかっていた。
ジョッキーは、天皇賞の表彰式で流れる君が代を何度聞いただろう。春秋合わせて10勝は保田隆芳と肩を並べた。1番人気で迎えた秋は、メジロマックイーンの降着、サイレンススズカの競走中止とつらい思い出があったが、流れは変わった。次は昨年6着に敗れたジャパンCだ。「1年たって確実に力をつけている。日本代表として胸を張って出られる」。
デビュー20年で積み重ねた中央での勝利は「2999」。前人未到の区切りに王手をかけた。一時は岩田に29勝差をつけられ不調説までささやかれた天才は、名馬を得て完全に勢いを取り戻した。【岡山俊明】
[2007年10月29日8時34分 紙面から]
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