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プロの決断ムーンこれで引退/ジャパンC

- アドマイヤムーン(右)がポップロック(中)を頭差抑えた
<ジャパンC>◇25日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走18頭
優勝したアドマイヤムーン(牡4、栗東・松田博)の馬主であるダーレー・ジャパン・ファームの高橋力代表に、笑顔はなかった。「責任を果たせたという気持ちが第一です」。静かな語り口が、これまでの重圧の大きさを感じさせた。この夏、アドマイヤムーンは40億円で近藤利一氏から移籍。来年からは北海道日高町のダーレー・ジャパン・スタリオンコンプレックスで、500万円の種付け料で種牡馬となることが決まっている。送り出す立場として天皇賞(秋)に続く敗戦だけは許されなかった。
その天皇賞では、不利を受けて6着に敗れた。引退の話も出たが、悩んだ末にJC出走を決めた。「このままではムーンのインパクトは宝塚記念で止まる。秋に結果を残すのとそうでないとでは、生産者の反応も違う」。種牡馬としての将来を考えると、不完全燃焼の天皇賞をラストランにはできなかった。
管理する松田博師と話し合い、最終的に東京の良馬場なら距離はギリギリ持つと判断した。まさに、その通りの結果だった。「私の思惑と希望と意地をスタッフが理解し、2400メートルを克服してくれた」。今月1日、兼務していたダーレー・ジャパン会長、ダーレー・ジャパン・レーシング取締役を突然、解任された。自らの周囲は慌ただしかったが、馬とスタッフは最高の仕事をしてくれた。
有馬記念は使わずに、このままターフを去る。今度は決断に迷うことはなかった。「12月の中山は馬場が乾いていないし、距離も延びる。心の中のどこかに心配があって、使いたくはない」。この日の勝利を手土産に引退するのが最高のタイミング。種牡馬としての成功を最優先させたプロの決断だった。【鈴木良一】
[2007年11月26日8時14分 紙面から]
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