鳥栖のJ1優勝も体感したい! 痛烈にそう感じる今日この頃である。というのも、鳥栖がコラボレーション企画を行っているプロ野球のソフトバンクが、9月17日にパ・リーグ2連覇を成し遂げたからだ。カメラマンとして歓喜の瞬間に立ち会い、心が震えた。祝勝会で、たる酒を頭から浴びる工藤公康監督(52)やビールをかけあい大はしゃぎする選手たち。私自身、お祭り騒ぎの会場でもみくちゃになり全身酒まみれになったわけだが、やはり勝利の美酒は格別。王者のみが味わえる特権がうらやましかった。

 ソフトバンクがシーズン中のイベント「鷹の祭典」で着用した黄色のユニホーム同様、鳥栖も夏場のホーム2試合(湘南戦、鹿島戦)で黄色の特別ユニホームを着用して戦った。来場者にも鳥栖とソフトバンクのマークが入ったレプリカユニホームを配布して盛り上げた。3月には鳥栖森下仁志監督(43)がヤフオクドームを訪れて工藤監督とエール交換を行っている。それだけに、コラボパワーで波に乗れなかったことが歯がゆい。プロ球団との歴史に残る“アベックV”を実現してほしかった。

 9月25日現在、鳥栖はJ1年間順位で13位に低迷し、今後の上位進出は極めて厳しい。しかもJ2降格圏の16位松本と勝ち点差7と油断できない位置にいる。第2ステージは残り6試合。9月26日甲府戦(ベアスタ)から全勝するつもりで気合を込めてもらうしかない。第1ステージの4月12日山形戦で完封勝ちして以来、ホームでは11試合未勝利が続く。危機的状況も打破しなければならない。

 そんな状況下、特にコラボ企画の共同記者会見に松田宣浩内野手(32)と出席して意気込みを語ったFW豊田陽平(30)には、最後まで共闘の意地を見せてもらいたいものだ。今季はけがにより不本意なシーズンが続き、9月19日広島戦も右足痛で欠場した。だが甲府戦に復帰予定で、ホークススローガン「熱男」ばりの勇姿を期待したい。【菊川光一】


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。プロ野球等のカメラマンも兼務する“二刀流記者”。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。