J2札幌が今季ホームで初めて完封勝ちした。岡山を1-0で下した。前半13分、DF福森晃斗(23)の直接FKで先制。3月26日京都戦に続いて、今季初のホーム2連勝。勝ち点を13に伸ばし、今季最高の3位に浮上した。

 札幌が24番の正確無比なキックで、本拠初連勝につなげた。前半13分、DF福森が右からFKを蹴り込むと、飛び込んだFWジュリーニョが左足を伸ばす。足には当たらなかったボールは、前に出てきた岡山GK中林の股下を抜け、そのままゴール左に吸い込まれた。

 「GK前でバウンドするボールを考えた。狙い通りのキックができたし、うまくジュリが邪魔してくれたのも良かった」。これで3月26日京都戦に続きホーム2試合連続のFK弾だ。直接狙った前回とイメージは異なるが、キックの精度があるからこそ。それでも「8、9割はジュリの得点だけど、ジュリが触ってないといってくれた。感謝です」と謙虚に振り返った。

 「インパクトさえ、しっかりできれば、狙ったところに確実に蹴る自信がある」と自負する得意の左足。インサイドキックに近いが「インサイドでは横に回転してしまうから、少しつま先寄りに当てる。自分の蹴り方があって、誰かを手本にすることは一切ない」と言う。今季は公式戦で蹴る回数が増え、独自のフィット感に磨きがかかり「蹴る部分がミリ単位で合ってきた」と手応えを口にした。

 直接弾ではないが、3月20日清水戦の2点を含め、福森の左足が生んだ得点は4点目。今回は開幕から6戦無敗だった岡山に土を付け、3位に浮上した。四方田監督は「堅いゲームになると思っていたから、いい形で先制点を取れて良かった」とたたえた。粘ってつかんだ1勝をはずみに、次節17日は、前回11年に昇格させた石崎監督率いる山形を討ち、5年ぶり2位浮上を狙う。【永野高輔】