13番が偉業に挑む。J2札幌FW内村圭宏(31)が、今日8日アウェー松本戦で5試合連続ゴールを狙う。過去、5試合以上連続で得点したのは97、98年のFWバルデス、00年のFWエメルソンの2選手だけ。クラブ史上3人目、日本人選手初となる快記録を決め、2試合ぶりの白星に導く。

 絶好調男は、慎重かつ淡々と意気込みを口にした。松本戦に向け内村は「点は狙うけど、まずはチームとしてやることをやって、全員でしのいで、その中でものにできれば」と前を向いた。日本人連続得点記録更新への思いは胸に秘め、まずは組織の一員として守備での役割を果たす。その上で、FWとして点も取り、攻守ともに文句ない活躍で、勝ち点3を呼び込む。

 乗れば、どんどん畳みかけるのが内村流だ。前回、4試合連続得点を記録した13年は、7月14日東京V戦から8月4日富山戦まで1度記録した後、2試合挟んで再び8月21日愛媛戦から4戦連発。計10戦8発と一気に量産した。「取れるときに取っておきたい」。今季も初得点の4月17日山形戦から8戦6発と上り調子の点取り屋が、初“5連チャン”で高みを目指す。

 千葉戦での4戦連発は、あくまで通過点ととらえている。戦前から「4試合連続は前にやったことがあるし、ここは特に意識はしない。5戦目からです」と話していた。クラブ史を築いてきたバルデス、エメルソンに並び、日本人では誰も成し遂げていない未到の境地へ。当然マークもきつくなる中、知恵を巡らせ、得点機を見いだす。

 前節で連勝は6で止まるも悲観はしていない。「(千葉戦は)負けていないし2点追いつけた。また一から連勝を重ねればいい」。計6発は、ヘッド3連発含め、右足2、左足1点。どんな形でも得点できる万能FWが、札幌と同じリーグ最少9失点の堅守松本ゴールをこじ開け、再度、連勝スイッチを入れる。【永野高輔】