鹿島にとって痛恨のPK献上となった。ほとんど決定機を作らせなかったが、DF西が興梠を後ろから倒し、大きなアウェーゴールを奪われた。第2戦で1-0で勝っても優勝には届かない。2得点以上での勝利が必要となった。日本代表MF永木は「アウェーで2得点して勝つしかなくなった」と危機感を募らせた。

 石井監督は「最低でも点を奪われない形にしたかったが、それができなくて残念」と悔やんだが、すぐに次戦のテーマを明確にした。「自分たちからボールを奪いにいくことを考えつつ、攻めるエリアでボールを動かすことが大切」と頭は切り替わっていた。

 右足第5中足骨痛だったMF柴崎を途中投入。約1カ月ぶりに試合に復帰したプレーに、指揮官は「ご覧の通り良い状態。いい材料」と手応えを口にした。後半20分にはDF山本、MF遠藤とつないだパスから、ダイレクトボレーを放つなど復活の予感はある。試合後の柴崎は、険しい表情で無言で会場を後にした。

 攻撃陣の奮起が求められるが、試合後は遠藤が体調不良で病院に直行。FW金崎も足を引きずった。7年ぶりの優勝は、いばらの道となった。【鎌田直秀】

 ◆鹿島の今季リーグ戦得点 53得点はリーグ5位タイ。今季の34試合のうち無得点が8試合、1得点が10試合、2得点以上は16試合だった。2得点以上を挙げた試合の戦績は14勝2分け。アウェーの浦和戦(6月11日)は2-0で勝利。