J2山形が18日、静岡・御前崎キャンプ2日目で前日同様に戦術練習を行い、新機軸を披露した。守備時はシステム3-4-2-1だが、攻撃時はボランチ1枚がDFラインに下がり、中央のセンターバック(CB)と2バックを形成。左右のCBが前に広く開いて、自在にパスをつないだ。「DFからのビルドアップ(攻撃の組み立て)」を重視する木山隆之新監督(44)は「いかに高い位置でフリーの選手をつくるか」と導入理由を説明し「理解力が高い。昨日よりも進歩している」と胸を張った。

 攻守でシステムが違う可変型は高等戦術。前線により人数をかけることが最大の狙いだ。J1では浦和と広島が導入して、ともに結果を残した。この日、相手が2トップを想定してのビルドアップ練習では、MF本田拓也(31)とMF風間宏希(25)の両ボランチが、臨機応変にバックラインに入った。風間は「後ろで回してるときはしっかり前に運ばなきゃいけない。正確なビルドアップを意識して、周りをサポートしないと」と役割を理解していた。

 守備と前線との橋渡し役となるボランチが、木山サッカーの心臓部に当たる。新コンビのプレーを見た指揮官は「前を向いてのスルーパス、斜めのワイド(ウイングバック)へのパス、くさびのパスが出せるのが一番大事。いいものがある」と絶賛。キャンプ2日目にして、今季の戦い方の一端を示した。【高橋洋平】