チェルシー流「3-4-3」で、今季の仙台が変わる。渡辺晋監督(43)は、昨年末に視察した英プレミアリーグ1部チェルシーのフォーメーションを軸に「1トップ2シャドー」を選手に落とし込んでいる。23日の鹿児島キャンプでも、ハーフコートでの11対11のゲームで試した。

 「うちの選手の特徴が生かせると思った。原則的なことになると思う」。チェルシーの布陣は、守備時は広島や浦和同様に5バック気味で、攻撃時に1トップ2シャドーとなる。チェルシーは同システムに変更後、リーグ16戦で37得点6失点。22日時点で首位を独走中だ。昨季の仙台は34戦39得点48失点。伝統の「4-4-2」を捨てて変革を求め、高い得点力と堅守に魅力を感じて、チェルシー流にたどりついた。

 新システムの鍵となるシャドーの役割は激戦区だ。候補にパブロや佐々木、野沢、金久保、奥埜らがいる。その中で猛アピールしているのが新加入のMF中野嘉大(23)だ。攻撃に絡むプレーが持ち味だが、昨季川崎Fでは満足がいくプレーができなかったという。

 「(シャドーを)やりたいです。常に前を狙いながらコンビネーションで崩していきたい」。この日の11対11のゲームに右シャドーで出場。クロスを上げてアシストした。渡辺監督は「攻撃の仕掛け方は、うちにはいない選手」と絶賛。攻撃的MFが目標の「全試合出場とスタメン定着」へ動きだした。【秋吉裕介】