<ナビスコ杯:京都3-3浦和>◇予選リーグA組◇23日◇西京極

 アジア王者の浦和が国内公式戦10戦勝ちなしの屈辱を味わった。ナビスコ杯1次リーグ京都戦(アウェー)で、新加入FWエジミウソン(25)がハットトリックを決め、今季チーム初得点をマーク。前半を3-1で折り返したが、後半に相手のシステム変更に対応できずに2失点し、3-3で引き分けた。未勝利続きで王者の自信を喪失し、後味の悪さが残った。

 勝ちゲームをドローに持ち込まれ、重苦しい空気が流れた。3点を奪い、良い流れをつかんで臨んだはずの後半に痛恨の2失点。DF坪井は「立ち上がりから良い試合だったのに、後半にバタバタしてチームの良いイメージを壊してしまった」と猛省した。

 リードを守るため、受け身になった。後半から3トップに変更してきた京都の猛攻ですぐに失点すると、選手は自陣に下がり気味になった。まだ1点勝っているのに、「また勝てないのか」という不安が消極的なプレーにつながる。敵のロングスローに対処できずに失点を続けた。相馬は「おれはチャレンジャーで、びびっちゃいけないのに2点のリードを守ろうとした」と言えば、坪井も「勝てない、点が取れないというのがバタバタすることに影響している部分がある」。国内公式戦は昨年10月20日千葉戦(4―2)以来、10戦連続の未勝利。アジア王者の自信喪失は深刻だ。

 エンゲルス監督は「もっとリーダーシップを取る人がいてボールキープして欲しかった」と嘆いた。J再開となる30日のホーム新潟戦には左太もも肉離れの闘莉王が復帰、28日には代表3人も合流予定だ。しかし山田主将は「代表が戻ってきて、またチームとして(戦術を)再確認しないといけないし、これから」と課題の多さを口にした。開花の早い今年の桜とは対照的に、新生浦和が開花するのはまだ先になりそうだ。【藤中栄二】