<J1:磐田0-0千葉>◇27日◇ヤマハ

 磐田の内山篤監督(49)が解任される見通しとなった。17位千葉との残留争いで、0-0の引き分け。リーグ戦で、磐田史上ワーストタイの6戦勝ちなしとなった。馬淵喜勇社長(60)は28日にも監督と話し合うが、解任は決定的。3季連続で、シーズン途中での監督交代を余儀なくされることになった。

 負けなかった。だが、勝つこともできなかった。17位千葉との残留争い。最後まで攻め続けた。相手ゴールを脅かし続けた。前半37分にはFW前田、後半23分にはFWカレンが、MF駒野の決定的な右クロスに、体を投げ出した。それでも枠はとらえられなかった。手にした勝ち点は1。リーグ戦で、磐田史上ワーストタイとなる6戦未勝利に、ため息が充満した。

 試合後、馬淵社長は居残るサポーターの元へ、今季2度目の事情説明に訪れた。「決断を覚悟しろ!」との声に「覚悟している」と返答。その意を「9日神戸の試合で、意思を決めていた。前半は抑え気味で後半勝負かと思っていたら、その後半に1点を取られた。今季の象徴と思った」と、監督交代を示唆した。

 この日は死に物狂いで勝ち点3を取りに行った。後半17分にMF松浦、同31分には7月5日鹿島戦以来8試合ぶりにMF名波を投入。さらに終了間際にはFW中山も投入し、攻撃への意識を全員に植え付けた。シュート数では16対6と圧倒もした。だが「今はいいサッカーより、勝つかどうかが大事。それが(監督には)かわいそうだった」と馬淵社長。28日に内山監督と話し合う予定だが、3季連続の途中交代は、免れられない状況になった。

 試合後、選手は容赦なくブーイングを浴びせられた。「理由はよく分かる」とカレンが言えば、中山も「内容は悪くないが、勝たないと前にも進めない。ここで弱気になったら、ズルズル行く。そうならないようにしたい」。選手はただ、結果で応えるしかない。【今村健人】