横浜FCのFWカズ(三浦知良、41)が2日、来季の現役続行を宣言した。前日に同い年の元プロ野球オリックスの清原和博氏が引退。プロ23年目の友人はバットを置いたものの、同じプロ23年目のカズは「オレは引退しない」と来季24年目となる現役生活を誓った。今季はゴールこそないが、35試合中26試合に出場した。クラブ側も契約延長の方針で、42歳になる09年もJ1昇格という目標に挑むことになる。

 「同世代の選手が次々と辞めるね。でも、オレは引退しないよ」。5日のC大阪戦(国立)に向けての練習を終えると、カズははっきりと口にした。プロ23年目、来季は開幕前に42歳になる。それでも「動けなくなるまでプレーするよ。まだ動けるからね」。今季も主力としてプレーを続けてきた自信で言い切った。

 学年こそ違うが、清原氏とは同じ67年生まれ。引退試合は見なかったが、以前から親交はある。今季の開幕前にも2人で会った。「野球やサッカーの話は一切しなかったけど」。それでも、友人の体を思いやって「いろいろとケガもあって、大変だったね」と話した。

 一般的にはサッカーより選手寿命が長い野球だが、清原氏と同期の桑田真澄氏も引退。90年に初めて出演したCM(サントリーのビール)で共演した野茂もユニホームを脱いだ。「野球はプロとしてプレーできる場が少ない。サッカーはJリーグがだめならJFL、地域リーグでもプロとしてプレーできるから」。若いころの節制と練習の積み重ねが長持ちの秘密だが、カズ自身は「運だよ。オレはケガをしなかった。だから今でもプレーできる」と言う。

 かつてのストライカーのイメージはないが、高い技術は相変わらず。都並監督は「戦術理解はチーム一。与えられた役割を確実にこなしてくれる」と絶大な信頼を寄せる。来季契約の話し合いは11月末からだが、クラブ側は契約を延長する方針。幹部の1人も「今年のプレーを見れば(延長は)間違いない」と言う。

 現在J2の11位で、目標のJ1昇格は絶望的。5日にも数字上の可能性が消滅する。それでも、41歳のキングは前を見ている。「もう来季に向けての戦いは始まっている。1試合も無駄にはできない。昇格に向けて、来年もう1度やりなおしだよ」。残り7試合、すでにカズは42歳の来季に向けて走り始めている。